2014年10月16日木曜日

NEST モンゴル高専支援プロジェクト


  NPO法人 科学技術教育ネットワーク(以下、NEST)の中西佑二理事長、井上徹副理事長が、モンゴル工業技術大学に日本式高専を創るプロジェクトを推し進めてきました。これは、都立産技高専名誉教授の中西理事長が、モンゴル工業技術大学の客員教授として、「モンゴルに日本式高専を創る支援の会」代表代行理事を務め、同大学と都立産技高専との連携により進めてきたプロジェクトです。
その活動が実を結び、今年9月1日に「モンゴル高専」(ウランバートル市)の第1期生の入学式が行われました。
 
 中西理事長の招きにより、NEST理事の黒木啓之が情報処理の授業および教員の指導のため2週間滞在。同じく理事の富永一利と中島晃芳、事務局長の池田有佳里が、9月9〜11日の3日間、第1期生3クラス99名にロボットの授業を行いました。また、持参したLEGO Mindstorms RCXのロボットを30台寄贈。後日、さらに数十台送る予定です。

 これまで黒木理事が毎晩一所懸命奮闘してくださったのですが、なかなかロボットを動かすデジタルの環境が確保できませんでした。直前に学長の決断で新しいパソコンを購入してくださり、到着した授業前日の夜、何とか動く環境を創ることができました。しかし、初日の午前中は、前日テストしたにもかかわらず、PCが固まったり、ロボットのファームウェアが飛んだりと思わぬアクシデントが続出。富永理事と黒木理事が懸命に対処し、午後の授業からは安定した授業を進めることができました。
 
 3クラスを2分割し、1グループ16〜17名に対して、それぞれ3時間半の授業を行いました。まず、富永理事より挨拶とロボットについてのブレインストーム、ロボカップジュニアの紹介を行いました。次に、池田がロボットカーの走行プログラムを、続いて中島よりタッチセンサーと光センサーの使い方の授業。各単元の終わりに競技を行い、その定着を図りました。
 
 授業には必ず女性の通訳がついてくれました。通訳の方々はとても優秀で、一度授業の通訳をすると、その内容をきちんと覚えていて、私共の説明を補ってくれるなどしてくれ、本当に助かりました。授業が円滑に進んだのも通訳の方々のお蔭です。 

 新入学生たちは初めて受けるロボットの授業に目を輝かせ、競技になると熱中して取り組んでいました。モンゴルでも富裕層の子供たちですが、素朴な素直さを感じます。授業の開始の時は全員が起立して当番の生徒が「礼、おはようございます」と号令をかけます。また、廊下ですれ違う時も「こんにちは」「さようなら」と声をかけてくれます。

 また、テレビや新聞、雑誌の取材、ロボットの寄贈式も行われ、驚くほどの歓迎を受けました。ガンバト学長やビルゲイン校長が初日には昼食会を、最終日には、夕食会を開いて下さいました。夕食会は、外務省所有のウランバートル最大のゲル(主にモンゴル高原に住む遊牧民が使用している伝統的な移動式住居)でおkなわれました。これは、モンゴル独立に人生のすべてを投入し、初代外務大臣となったハントルチの元住居で、2つの大きなゲルをつないでおり、ハントルチの所蔵物などが展示されています。ここで、感謝状と記念品を贈呈して下しました。


 歓迎して下さったガンバト学長やビルゲイン校長、様々な身の回りの面倒を見て下さった、モンゴルに日本式高専を創設する会モンゴル代表のセルゲレン氏、観光にも連れて行って下さったバイラさんを始めとする通訳の皆様、コーディネーターのアマル氏、中西理事長と共にウランバートルに在住している西山明彦モンゴル工業大学客員教授(都立工業高専名誉教授)には、心より感謝申し上げます。皆様から温かいおもてなしを頂戴しました。また、中西理事長には、私共を招集し貴重な体験をさせてくれました。

 モンゴルは豊富な地下資源を活かす技術力、インフラを始めとする社会資本の整備を実現する技術力が必要とされています。そこで、近い将来の技術者を育成する目的で「日本式高専」を創るプロジェクトが立ち上がりました。今年9月15日には、さらに2つの高専の入学式が行われるそうです。私共NESTとしては、組織的かつ継続的な教育の支援をしていきたいと存じます。


PS:中西理事長・井上副理事長・富永理事・黒木理事は、都立産技高専の名誉教授、教授、准教授です。





 
 


 
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